Skip to content →

20XX/04/08 デビュー

 
《世界が終わるまで350日》
 
千葉市 市街地
 
東京と同じく、瓦礫に埋もれている。
地中貫通型爆弾による攻撃が行われたのか、地面に直径10~50メートル程度のすり鉢状の穴が幾つも空いている。
すり鉢状の穴の底に、何百体もの白骨死体を発見。
爆撃後も生存者がいて、爆撃跡を墓穴代わりにしていたようだ。
ハマに穴の底を見るなと言うが、既に遅く、市街地に入ってから言葉が少ない。
横転した戦車の側面や市庁舎の掲揚台に掲げられた旗に『はらいそ教』のマークを確認。
千葉市は、はらいそ教に占領されたよう。
図書館前で、積み上げられ焼かれた書物の残骸を発見。
ハマがまだ読めそうな本を拾い上げ、数冊リュックに入れる。
暗くなってきたため、図書館の地下にて眠ることにした。
灰と古書の匂いが部屋中に漂っている。
缶詰を数個食べる。
食料が残り少ない。
真夜中、寝袋から出てハマが乗っかってきた。
誘われ、お互いに口で処理する。
ハマが「フェラデビューしちゃった」などと笑うので、頭を叩く。
寝袋に無理矢理二人潜り込んで、抱き合って目を閉じる。
ハマが「眠れないから、子守歌うたって」と強請ってくる。
子守歌なんて歌ったことがない、と答えると、胸に顔を押し付けてハマが笑った。
仕方なく、生まれて初めて子守歌をうたう。
暗闇に、大して上手くもない子守歌が響く。
暫く後に、ハマの寝息が聞こえてきた。
それでも、子守歌を続けた。
明日は、食料を見つけなくてはいけない。
 
 

backtopnext

Published in 世界が終わるまで365日

Top