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20 熱が交じる *R-18

 
 目尻を伝い落ちる涙を拭う暇もなく、膝裏を抱え上げられる。そうして、ぐちゃりと湿った後孔に熱い感触が押し付けられる。それがミツルの性器だと気付いた瞬間、全身が焼け爛れるような熱情が走った。ぐ、と窄まりそうになる後孔に圧力が掛けられ、張り出した先端がぐぐと内部に押し込められる。
 
 
「ぐ…ぅ、ヴぅー!!」
 
 
 悲鳴が押し殺しきれなかった。身体が縦に引き裂かれるような痛みが走り、神経をぐちゃぐちゃに掻き毟っていく。足掻く両脚をミツルの手に押さえられ、両腕を兄貴に掴まれる。兄貴が俺の胸元を掌で撫でながら、宥めるように耳元に囁く。
 
 
「二郎、大丈夫や。落ち着いて、息吐け」
 
 
 大丈夫、大丈夫じゃない。痛みで目蓋の裏がチカチカする。噛み締めた奥歯の内側から、呻き声が溢れ出て、眼球から止め処もなく涙が零れ落ちる。全身の毛穴から油汗がぶわっと滲み出した。先端を後孔が喰い絞められた状態は、ミツルにも相当な痛みを与えているのか、涙でぼやけた視界にミツルの苦しそうな顔が映る。
 
 
「二郎…! 力抜け…ッ!」
「…ィ、ぎ……ム、り、やァ……!」
 
 
 掠れていく意識の中、痛覚ばかりがハッキリしていく。顔面を涙と鼻水でぐちゃぐちゃに濡らしながら、俺は子供のように泣きじゃくった。呼吸が上手くできなくて、ひ、ひ、と引き攣った呼吸音ばかりが零れる。すると、兄貴が目蓋にキスを落としながら、股間に指先を伸ばしてきた。
 
 
「ん、ぁ……」
 
 
 萎れた股間を、温かい掌で撫でられる。その心地よさとも付かない快楽を手放したくなくて、兄貴の太腿に頬を摺り寄せる。そのまま、くちゃくちゃと優しい手付きで性器を扱かれると、知らず熱い息が漏れた。痛みが紛れて、麻痺していく。そのおかげで後孔の締め付けも僅かに緩まったのか、ミツルの長く息を吐き出す音が聞こえてきた。
 
 
「ミツル、ゆっくり挿れたれ」
「ハジメに言われんでも、そうするわ」
 
 
 その言葉を皮切りに、足を抱え直されて、先端が埋まっていたものがじりじりと体内へと進んでいく。潤んだ粘膜がそれでも引き攣れてピリピリ痛むのを、性器を弄られる快感でやり過ごす。次第に、体内に入ったモノの痛みが薄れていく。あるのは、内臓を押し広げられる微かな苦しさと、異物感と、粘膜を焦がすような熱だ。硬く、熱く、脈打っている。
 
 
「ぁあ、……んぁ…」
 
 
 開かれた太腿の根元を、乾いた下生えが擽る感触があった。下腹の辺りがぎゅうぎゅうと苦しい。自分が腸詰めにでもなったかのような感覚だ。だけど、腹の中でびくびくと震える感触は、生々しくて。
 
 
「っ…ふ、二郎、全部入ったで。判るか、俺が御前の内におるんが…」
 
 
 押し殺したような、色っぽく掠れた声でミツルが呟く。その声に、潤んだ視界を向けると、俺の尻とミツルの腰がぴったりと重なっていた。ミツルが身じろぐと、ぐじゅというローションが潤む音がソコから聞こえて、衝撃に両脚が跳ねた。
 
 
 あ、ぁ、突っ込まれてる。尻を犯されてる。弟に。実の弟に、抱かれている。一瞬浮かんだ絶望を、下半身の熱が浚って行く。兄貴が俺の性器を片手で扱き上げながら、もう片方の手で乳首をぎゅうと摘んだ。その痛むず痒い感覚に背筋が反り返って、後孔に含まれたミツルを締め付ける。
 
 
「んんぅ!」
「っ…ハジメ、余計なことすんな!」
 
 
 ミツルの怒声に耳を貸すこともなく、兄貴は俺の性器の先端を指先で撫でた。その快感に下腹部がびくびくと跳ねる。
 
 
「俺は、二郎を気持ち悦くしてやりたいだけや。御前は、そっちに集中せぇ」
 
 
 ミツルは何か言いたげに唇を開いたけれども、結局は悔しそうに唇を噛み締めただけで何も言わなかった。兄貴がうっそりと微笑む。
 
 
「奥の方、ゆっくり突いたれ」
 
 
 そう兄貴が言うのと同時に、腰を掴まれて、ゆっくりと奥を突き上げられる。根元まで突っ込まれているものが内臓を抉るように動く。時々円を描くように粘膜を掻き回されると、ぐじゅぐじゅと淫靡な水音が響いて、鼓膜が侵される。既に痛みよりも疼きの方が大きい。戦慄くような感覚が腹の底から湧き上がって、身体中を淫らに溶かしていく。
 
 
「ぅ、ア、……ふァ…」
 
 
 まるで甘えるみたいな喘ぎ声が咽喉から零れ出る。それを恥ずかしいと思う余裕はなかった。性器をくちゃくちゃと弄られながら、内部を掻き回される感覚に、身体も心も翻弄されていく。込み上げてくる快楽に両手でシーツを掻き毟ると、その手を兄貴に掴まれた。そのまま、その手ごと下半身へと持って行かれる。そうして、指先を結合部へと触れさせられた瞬間、驚きにぎゅうと後孔が締まった。ミツルが短く呻く。
 
 
「ハジメ…っ!」
「二郎、御前の此処が広がって、ミツルのこといっぱい呑み込んどるで」
 
 
 ミツルの非難の声に耳を貸さず、兄貴は俺へとやらしく囁き掛ける。太く熱い怒張を咥え込んで、限界まで広がっているそこを何度も指先でなぞらされる。ソコは熱く、潤んでいた。自分でも信じられないぐらい大きく広がって、ミツルの熱を呑み込んでいる。そうして、時折きゅうと締め付ける。それを意識した途端、腹の底に熱がともった。その熱は、強張っていた後孔を柔らかく解きほぐした。自分の意識とは無関係に、内部が蠢き、熱く脈打つ怒張をしゃぶり始める。熱せられた粘膜が怒張にくちくちと吸い付のを感じた。自分の身体が自分のものではなくなる事に、狂乱と紙一重の恐怖を覚える。
 
 
「あ、ぅ、アッ、み、つる…っ…たすけ…っ」
 
 
 下腹を掌で押さえたまま、救いを求めるように名前を呼ぶ。ミツルが上気した顔で、咽喉をごくりと動かすのが見えた。そうして、根元まで入っていた怒張が唐突に引き抜かれる。粘膜を引き摺りながら出て行くモノに、咽喉がヒッと悲鳴を零した。強烈な排泄感に、爪先が空中を蹴り飛ばす。そうして、先端まで引き抜かれたモノが一気に奥まで叩き込まれる。肉と肉がぶつかり合う音と共に、眼球の奥で火花が散った。
 
 
「ゃっ、アーッ!」
 
 
 絶叫にも似た声が迸る。腰骨を砕きそうなほど強く掴まれたまま、両脚の間でミツルの身体が踊る。無茶苦茶に突き上げられながら、兄貴の手に股間を勢いよく扱かれると、もう何が何だか解らなかった。馬鹿みたいに嬌声ばかりが咽喉から溢れ出す。抜き差しの生々しい音が激しく響く。結合部から溢れているのは、ローションなのか、それともミツルの先走りなのか、それらが混ざり合って泡になったものなのか、それすら解らない。激流のような快楽に呑み込まれながら、必死で兄貴の太腿にしがみ付く。
 
 
「ぃ、アァ! やァう、……んゥ!」
「二郎っ、二郎…!」
 
 
 荒い息遣いに混じって、切羽詰ったミツルの声が聞こえる。
 
 
「おまえっん、中っ、出すで…!」
 
 
 言葉の意味がよく解らない。考えることも出来ないまま、身体を揺さぶられていると、不意に体内の怒張が大きく痙攣するのを感じた。腰を引き寄せられて、根元まで呑み込まされる。そうして、内臓の奥深くに熱い液体が吐き出される感触があった。
 
 
「ぁ、うそ、やァ…っ…!」
 
 
 中を濡らされる感触に、内臓が震えた。ミツルの下腹がビクビクと震えていて、その快楽の深さを教えられる。そうして、性器を扱いていた兄貴の指先が不意に鈴口を強く擦り上げた。指先を捻り込むかのように弄られると、全身が跳ねた。
 
 
「ひゃ、ぁう、んー!」
 
 
 耐え切れず、性器からびゅくびゅくと白濁した精液が溢れ出し、胸元を濡らす。目が眩むような壮絶な快感だった。頭の中が真っ白になって、空高くから失墜するような感覚。
 
 達した衝撃で思わず体内に入っている性器を締め付けると、ミツルが熱く湿った息を吐き出した。痙攣し蠕動する内部を味わうように、体内に収まった性器を前後にゆっくりと動かす。そうして、最後の一滴まで内部に注ぎ込むと、鈍い動きで性器を引き抜いた。
 
 途端、電池が切れたように強張っていた四肢から力が抜けた。荒い息に胸が激しく上下する。空洞になった後孔から、どろりと何かが溢れ出してくる感覚があった。ミツルが精液を溢れされる後孔を見詰めて、愉悦と独占欲にまみれた笑みを浮かべる。
 
 
「俺のもんや、二郎…」
 
 
 淡く囁かれた言葉に、過敏になった皮膚がざわめく。ミツルの唇が寄せられてきた瞬間、力の抜けた身体を後方へと引き寄せられた。背後から伸びてきた腕が身体に絡まる。
 
 
「“俺ら”のや、ミツル」
 
 
 兄貴が言い含めるような声音で言う。ミツルは微か血走った目で、兄貴を睨み付けた。愛らしい顔立ちが般若のように歪んでいる。ミツルの頬の内側からガギッと奥歯が噛み締められる音が聞こえた。だが、結局ミツルは何も言わなかった。無言ですべてを呑み込んで、そっと目を伏せた。
 
 
「…わかっとる」
 
 
 悔恨と諦念が入り混じった複雑な声音だった。ミツルの手が名残惜しそうに、俺へと伸ばされる。喉元を指先で擽られて、微かに甘い息が零れる。ふ、と息を抜いたのも束の間、ろくに力の入らない膝裏を抱え上げられて、ひくつく後孔に硬い感触が押し当てられた。
 
 
「っ、ぁ…!?」
「二郎、まだ終わっとらんで。俺のも全部呑み込め」
 
 
 兄貴の低い声が耳朶を擽る。後孔から垂れるミツルの残滓を塗り付けるように、先端を縁に滑らされる。その感触に、静まりかけていた熱が再び腹の中で燃え始める。は、と震える息を吐き出した瞬間、硬く太いものが粘膜を押し広げた。
 
 
「ぁ、あ゛あァ!!」
 
 
 今度は根元まで一気に突き立てられた。湿った粘膜が唐突な衝撃に耐え切れず、ビクビクと打ち震えて、怒張を喰い締める。だけど、今回の挿入は痛いだけでなく、身悶えるような快楽の火を体内に灯した。後ろから膝の上に乗せられるように貫かれると、先ほどとは違った場所を突かれて堪らなかった。更に赤ん坊の排泄のように足を大きく開かされている格好は、眩暈がするぐらい恥ずかしい。あまりの羞恥に、抱えられた両脚をばたばたと動かすと、嗜めるように内部を硬い先端でこねくり回された。
 
 
「ゥ、んあッ!」
 
 
 体内でくちゃくちゃと粘液が掻き回される音がする。ミツルが吐き出した精液が兄貴の性器に掻き回されているんだと思った瞬間、涙がぼろりと溢れた。顔面をくしゃりと歪めて、泣きじゃくる。兄貴が背後から耳朶を噛みながら、問い掛けてきた。
 
 
「何で泣くんや」
「は、ら、っん中、ぐちゃぐちゃで…ッ…」
 
 
 血の繋がった兄弟の精液で満たされていく体内を感じるだけで、その背徳感に怖気が走る。タブーを破る覚悟はあるけれども、現実にそれを実感していくのは恐ろしいほどの罪悪感が伴った。ひっくひっくとしゃくり上げると、顎を掬い上げられて、唇を重ねられた。まるで子供を慰めるような温かさと優しさで、唇を優しく吸われる。同時に目蓋にも柔らかい感触が落ちる。ミツルが涙に濡れた俺の目蓋にキスをしていた。
 
 
「「ごめんな二郎、愛しとるんや」」
 
 
 二つの声が重なる。涙は止まらない。タブーを冒した罪悪感は消えない。だけど、それらを受け容れて、なお有り余るほどの愛情が俺には与えられていた。今までだって、これからだって与えられ続ける。だから、罪を許す。誰からも許されなくても、俺が許す。それが兄貴とミツルのために俺が出来ることだ。
 
 
「ごめんなぁ、俺も愛しとる」
 
 
 震える言葉を口にした瞬間、俺があの子供に言わなくちゃいけなかった言葉が解った。思い出した。咽喉から嗚咽が零れる。嗚呼、どうしてこんな簡単な一言を、俺は今まで口に出せなかったんだろう。
 
 結合部が微かに捩れて、くぷりと泡立つ。潤みほどけた粘膜を、緩やかに掻き回されて、突き上げられる。股間に埋められるミツルの顔を見た瞬間に、意識が酩酊していくのを感じた。濡れそぼった性器をぺちゃぺちゃと舐められて、腹の中で熱が爆発し始める。
 
 
「ッやァア!」
 
 
 性器を咥内に含まれたまま、後孔は膨張した性器に貫かれている。律動は優しく、時に激しく内臓を抉る。膝裏を抱えられたまま、上下に激しく抜き差しされると、ぐちゃぐちゃと淫らな水音が響いた。粘膜が痙攣しながら怒張を締め付ける。
 
 
「ひっ、ぃ゛ァ…!」
「二郎…ッ!」
 
 
 兄貴が短く呻き声を上げる。途端、腹の中で何かが爆発する感触があった。あ、と悲鳴を上げる間もなく、弟の精液で満たされた腹の中に兄の精液が注ぎ込まれる。下腹に熱が走る。それは紛れもない快感だった。中出しされて気持ち悦よくなってる。それを意識した瞬間、性器が弾けた。びゅく、びゅくと断続的に吐き出される精液がミツルの顔へと盛大にかかる。
 
 
「ぁ、ふッ…」
 
 
 あまりの愉悦に、舌がだらりと唇から垂れる。ミツルは兄貴の腕の中でぐったりとする俺を見て、白濁がこびり付いた唇を湾曲させた。白濁に濡れた顔を近付けて、艶かしく囁く。
 
 
「二郎、御前のや。舐めろ」
 
 
 命令する声に、意識が朦朧とする。まるで酷い酒でも飲んだ時みたいだ。腹の中に収まっている兄貴の性器が再び硬さを取り戻し始めている。ミツルの唇を舌先を伸ばしながら、俺はまだこの時間が終わらないことを感じた。
 
 

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Published in 凶暴三兄弟

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