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002 猫のよう

 
 しめった布団に埋もれて眠っていた。
 少しすると寝癖をつけた男が布団の横にするりと潜り込んできた。
 その男は私の肩先に跳ねた前髪を埋めて、「ごめんなさい」と子供のように小さく謝るのだ。
 そうして私が跳ねた前髪を撫で付けてやると、甘えるように鎖骨に額を擦り付けてくる。
 私はそんな猫のような男が愛しくて堪らない。
 きっとこれからもそうやってほだされてしまうんだろう。
 いつまでもこの甘え上手な男を許してしまうんだろう。
 そう思いながら、男の頭をそっと抱き締めた。
 男は腕の中で「やわらかい」と小さく囁いて笑った。
 
 

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Published in その他

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